腰痛、臀部、坐骨神経領域の疼痛などを訴えて来院する場合が多く見受けられます。 症状は体動により増強し、安静により軽快する。
変形が進行して脊柱管狭窄症をきたしている場合には、下肢の筋力低下、知覚障害、間歇性跛行を呈し、脊髄への圧迫が進行すると下肢の運動神経麻痺、膀胱直腸障害などを呈するようになる。
診断に際しては頸椎の場合と同様、
@疼痛部位、疼痛の出現状況、圧痛の有無、歩行、起立の障害程度の判定
A神経学的所見(知覚障害、反射、ラセーグ徴候を含めた神経症状の有無)
B単純X線撮影(正面、側面、斜位2方向)
C血液、生化学検査などの一般検査
などを行い、必要に応じCT、MRI、ミエログラフィーやサーモグラフィーも施行しています。
当院では腰椎変形性脊椎症に起因する痛みに対し、プロトコールに従い治療方針(下図)を立てています。
基本方針は頸椎の場合と同様です。

(1)薬物療法
処方例2
@ ロキソプロフェンナトリウム 180mg・分3、毎食後
塩酸エペリゾン 150mg・分3、毎食後
A オキサプロジン 400mg・分2、朝・夕
メコバラミン 1500μg・分3、毎食後
消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、神経賦活薬などを組み合わせて用いています。
また、疼痛増強時にはジクロフェナクナトリウム坐薬50mgまたはインドメタシン坐薬50mgを
1日1〜2回の割合で頓用投与します。 消化器症状の予防対策も講じておくべきです。
(2)神経ブロック
神経ブロックを行うにあたって注意点は前述のとおりです。
| トリガーポイント注射 |
脊椎に原因のある腰痛の部分症として、腰背筋の痙縮とこれに伴う腰背痛はほとんどすべての患者に認められる症状であり、本法が奏効します。
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硬膜外ブロック (仙骨ブロック、 経仙骨孔ブロック) |
トリガーポイント注射で期待したほどの効果が認められない場合、根症状が認められる場合、激しい疼痛が広範囲に認められる場合には硬膜外ブロックが良い適応となります。
外来で単回注入法で経過をみますが、疼痛が強ければ入院していただき、硬膜外カテーテルを挿入し、持続硬膜外ブロックを行います。
腰部全体に広範囲の痛みがある場合には第2〜5腰椎棘突起間から、片側の臀部から下肢に強い痛みのある場合には同側の第2仙骨孔から、両側の坐骨神経領域に疼痛が認められる場合には仙骨裂孔から行います。
硬膜外ブロックの使用薬剤は通常の0.5%塩酸メピバカイン5ml程度を目安として適時加減としていますが、仙骨ブロック、経仙骨ブロックでは8〜10mlを使用しています。
根症状の強い場合は、少量のステロイド剤(リン酸ベタメタゾンナトリウム4mg)を局所麻酔剤に混じて併用すると効果的です。
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| 腰椎椎間関節注射 |
動作時に増強する偏側性の腰痛、十分な診察が出来ないような激しい腰痛、硬膜外ブロックで期待したほどの効果が得られなかった症例に対し効果を発揮します。
本ブロックにより疼痛が緩解すれば、疼痛を起こしている関節の同定が可能となります。
使用薬剤は1%塩酸メピバカイン3〜5mlとステロイド剤を併用します。
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| 神経根ブロック |
限定した神経に一致した痛みに対し有用です。透視下に行う場合もあります。
使用薬剤は1〜2%塩酸リドカイン4mlとデキサメタゾン5mgを併用しています。
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(3)その他の治療法
| 理学療法 |
牽引、マッサージ、歩行訓練、温熱療法(ホットパック)、腰痛体操などの理学療法を神経ブロックなどと並行して行っています。
ただし、牽引や歩行訓練は硬膜外ブロックの直後に行うことは避けたほうが無難です。
なお、頑固な腰痛を持っている症例では骨折などの可能性を考えて、温熱療法や牽引中は注意深く患者を観察することが必要です。
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| 低周波針治療 |
腰背部の痙縮とそれに伴う腰背痛には低周波針治療が優れた効果を発揮する場合があります。
変形性頸椎症の場合と同様な方法で治療します。
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| 低出力レーザー照射 |
頸椎変形性脊椎症の項と同様の方法で腰部の圧痛点、経穴に照射します。 |
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| 手術療法 |
手術適応は頸椎の場合と同じです。
発症から手術までの期間が長くなると、手術を行っても効果が期待したほどの効果が認められないこともあるので注意を要します。
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